日本酒は太りやすい!というイメージを持っていらっしゃる方が多いですよね。
日本酒を飲んでみたいけど、太りたくないので…という方も少なくないと思います。
「日本酒はカロリーが高いから太る」
「日本酒は米からつくる醸造酒だから太る」
こんな意見を聞くことがあります。
しかし実際に日本酒は太りやすいお酒なのでしょうか?
今日は、その辺のところを実際のデータなどを参考にしつつ、真実を明らかにしていきたいと思います。
お酒のカロリー
まずは日本酒に含まれているカロリーを確認してみましょう。
お酒に含まれるカロリーは日本食品標準成分表によれば以下の通りとなっています。
表:酒類100gあたりに含まれるカロリーとアルコールの量
酒類の名称 | カロリー | アルコール |
純米酒 | 103kcal | 12.3g(15.4容量%) |
純米吟醸酒 | 103kcal | 12.0g(15.1容量%) |
ビール | 40kcal | 3.7g(4.6容量%) |
白ワイン | 73kcal | 9.1g(11.4容量%) |
赤ワイン | 73kcal | 9.3g(11.6容量%) |
紹興酒 | 127kcal | 14.1g(17.8容量%) |
焼酎(甲類) | 206kcal | 29.0g(35.0容量%) |
焼酎(乙類) | 146kcal | 20.5g(25.0容量%) |
ウイスキー | 237kcal | 33.4g(40.0容量%) |
ウォッカ | 240kcal | 33.8g(40.4容量%) |
ジン | 284kcal | 40.0g(47.4容量%) |
ラム | 240kcal | 33.8g(40.5容量%) |
マオタイ酒 | 322kcal | 45.3g(53.0容量%) |
梅酒 | 156kcal | 10.2g(13.0容量%) |
(出典:文部科学省:資源調査分科会:日本食品標準成分表2015年版(七訂)より抜粋)
これを見ると、他のお酒と比べて日本酒のカロリーが際立って高いかといえばそんなことはありません。
ウイスキーやジン、ウォッカの方が、よほどカロリーが高いですよね。
というよりも、この表をよく見ると、カロリーはアルコールの量に比例しているのではないか?ということに気付いた方もいらっしゃるかと思います。
実はアルコール1gあたりの熱量は約7kcalで、酒類によってそんなに大きな差異があるわけではないのです。
このことから、日本酒はカロリーが高いから太るということは間違っていることがわかりました。
カロリーを気にしているあなた!日本酒を飲んでも大丈夫ですよ!
日本酒の成分
いやまて、カロリーではなく炭水化物が太る原因だろう、その辺はどうなっているんだ、と思う方もいらっしゃるかもしれませんので、次は日本酒の成分という視点で考えてみましょう。
・水
日本酒の成分の約80%は「水」です。
酒造りにおいて、使用する水の重要性について語られることが多いですが、成分の8割を占めているということならその重要性も理解しやすいと思います。
飲食店によってはお酒と、その仕込水をセットで出してくれるところがありますよね。よくできた日本酒はもとの水の味の性格をしっかりと持っているものなのです。8割が水ですから。
さて、日本酒の成分の大部分を占めるのが水。それでは残りの約2割の成分は何でしょうか?
・アルコール
日本酒の成分の約15%は「アルコール」です。
原酒だと18%くらいあったりしますが、ここでは日本食品標準成分表に基づいて約15%ということにしましょう。
・お米のエキス
では残りの約5%は何か?
これは「お米のエキス」です。
まさにこのお米のエキス部分こそが炭水化物であり、「日本酒は太る!」と敬遠されてしまう一因になっているのだと思います。
糖質制限ダイエットではご飯を抜いたりしますよね。ちなみに炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されていますがこの辺の説明は省略。
日本食品標準成分表によると、純米酒や純米吟醸酒100gに含まれる炭水化物はそれぞれ3.6g、4.1gとなっており、5%弱といったところです。
ちなみにビールには3.1g含まれており、日本酒よりは少ないですが、ビールと日本酒ではアルコール度数が異なるため、ビールの方がたくさん量を飲むお酒といえます。
ということはビールの方がトータルでは多量の炭水化物を摂取することになりがちなのです。
具体的に計算してみよう
またこの5%という数値について、具体的に計算してみましょう。
日本酒の一升瓶が1,800ml。実際には含まれるアルコールの量によって重さは変わりますが、ここでは1,800gとします。この時のお米エキス部分は90g。
うちのお店で皆さんが飲まれる酒量が大体3合程度なのですが、この時のお米エキス部分は27gとなります。
一方、お茶碗一杯のご飯が150gで、それに含まれる炭水化物は約55.5g。
3合飲んでも、お茶碗半分のご飯を食べたのと同じ程度の炭水化物しか摂取していないことになります。
思っていたよりも少ないのではないでしょうか。
このことから、米からつくる醸造酒だからといって太るというのは間違っている…とまでは言えないかもしれませんが、それほど気にしなくてもよいということがわかります。
ご飯を抜いてるあなた!日本酒を飲んでも大丈夫ですよ!